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部屋とYシャツとわらG

部屋とYシャツとわらG

2006年 夏 その1

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2006/06/01
Qが来るたびに。 「障害児と生きる日常(24267)」 [ 最近のことの日記 ]
 C校の中学校特学の生徒たちは、コンピューターの授業の中で、ワープロのタイピング練習をしている。

 ただ入力するときはのってこなかった子も、「コナン」(探偵の方)のタイピングソフトを導入して以来、大喜びで個別学習している。

 そんな中、ダウン症のA君もノリノリ。一番簡単な「A」から順に「Z」まで入れていくコースをやっている。

 ただし、指が太いのと、いくら言っても強く押しすぎるので、正しいキー以外にもまわりのものを押してしまう。

 まちがえながらも最後まで行ってくれるといいのだが、なぜか途中でいつもタイピング画面が消えている。いったい何が起こっているのか…。

 ずっと見ていてそのうちわかった。

 「Q」のキーが来ると、左手でそれを押そうとして、グジャっと、「Ctrl」キーや「Shift」キーなどがあるあたりを同時に押しているようなのだ。

 どれとどれを上手に?押しているのかはわからないのだが、そのたびに画面が消えて、パソコンの起動時の状態にもどるのだ…。

 授業も終わる頃、「Q」が来る頃に、サッと私の手を入れて妨害。

 「いやだー」とか文句を言っていたのだが、ひとまず無事通過!

 そして最後の「Z」を押したとき、彼は、ガッツポーズで立ちあがり、「ロッキー」になったのであった(笑)。

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2006/06/03
シミュレーション 「障害児と生きる日常(24267)」 [ 最近のことの日記 ]
 今日は職場の中学校(C校・特学の介助)の体育祭。

 朝、自宅では思いっきり大雨が降っていたので、そのまま寝てようかと思うほどだったが、さすがは車通勤1時間以上の他市…念のため行ってみるとほとんど雨は降っていなかったし、その後も一日中、涼しくて、ある意味体育祭日和となった。

 現介助員、ボランティアさん、元介助員…と曜日を越えてみんな勢揃いしたこともあり、いつも以上に人手があったし、のんびりと楽しめた。

 一日過ごす中で、5年前にいた職場のPTA会長さん夫妻に会ったり、7年前まで行っていた職場の元同僚に13年ぶりに会ったり、4年前の中学軟式野球の公式戦で熱戦を演じて敗れた相手校(向こうはそのまま県ベスト4に)の監督さんに会ったり、例の昨年度A校で担当していた生徒もいたり…いったいこの学校はどうなっているんだという感じで、私にとって時を越えた『人間交差点・ヒューマンスクランブル』と化してしまった。


 それはさておき、楽しい場面や感動的な場面がたくさんたくさんあったのだが、一番驚いたのは、自閉症のD君の徒競走だった。

 スタートとゴールまで何が起こるかわからないなかなかの強者メンバー同士が一緒のレースで走ったのだが、みんなクラウチングスタートで美しくスタート!

 「オー」と思わず感動した。

 いつもはスタートしない人までスタートしているし、途中でやめてしまったりおふざけをしたりする(はずの)人がぐんぐん追いあげていき、ついにトップを走るD君を捕らえた!

 D君は最後の直線でゴールテープをめざしていたのだが…

 それが視界から急になくなってしまった。

 D君、ゴールを目前にして、急停止。

 先生がうながすが前に進まない…。

 先生にうながされしょうがなしに走ってきた他の自閉症児E君とF君に後ろから抜き去られる頃には、すでに地面に倒れて泣いてしまった…。

 
 ゴールしたと思いこんで「D君がんばったー」と思って目を離し他の子を見て、その後のことを見ていない先生も多かったので、狐につままれたかのように「なぜなぜ?」となった。

 状況から考えて、たぶん…ということで、先の「ゴールテープがなかったから」ではないかということになったのだが、本人は『一番になること』には日頃からまったくこだわっていなかったと思われる。だから負けたから泣いたのではないと思う。

 練習の時はいつも一番だったから(みんながちゃんと走れないので)、『徒競走=ゴールテープ』となっていたはずで、自分はいつも通りにやったのにいつも通りのゴールテープがないから、パニックになった(と思われる)。


 担任の先生が、「そうかー、そういう理由なら、来年は、勝つパターンと負けるパターンと両方シミュレーションしとかないとなぁー」と言っていたのがとても印象的だった。


 ちなみにうちの息子Sは、昨年の地域の特学が集まる総合運動会で、ないはずのゴールテープ(いつもは一番にはならないし)が、2位以下の人が通過するたびにセットされたために、ゴール直前でやはり急停止。

 さらになんとUターンしてスタート地点までもどってきた…。そして、またスタートする…という1往復半の力走を見せた(笑)。

 その2回目のゴールの時は、ゴールテープについた花飾りをいつまでもいじったりしていたのだが、ゴールテープにさわったらゴールってことでいいのかな…。

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2006/06/08
体育祭への思い… 「障害児と生きる日常(24267)」 [ 最近のことの日記 ]
 今回は、とある中学校特学の学級だよりを入手したので、それを無断引用。
 その学級の担任の思いも伝わってくるし、まわりの通常級の先生や生徒たちの協力が感じられて◎だ。

 以下が引用部分↓(学校や地域がが特定されそうな部分は伏せ字にしたり、勝手にことばを置き換えています)



 体育祭は文字通り体育のお祭りです。日頃の運動の成果や協力して得たことを発表する場です。体育が好きな子にとってはこんなに楽しい行事はありません。

 逆にそうでない子にはつらい行事です。大人は「つらいことに立ち向かって欲しい」 「壁を乗り切って欲しい」などと思いアドバイスをしますが、子どもにとっては私たちが考えている以上の思いがあるようです。

 そんな気持ちに打ち勝つ手段は仲間の力。自分を必要と思ってくれる人の存在が大切です。

 A組(仮名)の生徒は今回全員参加することができました。一人一人の力と集団の力が、うまくかみ合った結果だと思うとうれしい。

 子どもたちに感謝したい気持ちでいっぱいです。

 ~中略~

 そして、1年生と争った、○○川下り(並んだ背中の上を船頭が渡る競技)、全員リレーに、ボランティアとして参加してくれた交流クラスの2・3年生にも感謝したい。競技をしているときは一体感を感じ、見ている人にも何かを感じさせることができたでしょう。

 またA組の介助の先生たちが全員来てくれたこと。子どもたちも喜んでいました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

 さて、今年度の体育祭は昨年と少し違う所があります。

 それはA組の生徒が入場行進で交流クラスに入り背の順で行進したこと。

 A組の得点を、実際の生徒たちの順位でちゃんと計算して表示してもらったこと。

 長距離走に、各学年から数名出場したこと。

 ○○川下りに他のクラスと同じ距離・条件でレースに参加したこと。

 体育祭実行委員会に3年生から2名の生徒を出したこと(当然、放課後の委員会に参加して話し合いや準備を行う)。

 

 今、学校全体が交流に関して意識してくれていて、いろいろな場面でA組の参加を考え、実践していこうとしています。

 これからの社会でみんながもっと暮らしやすくなっていくことを心から願いながら。

 ○○中学校の実践は世の中の一部にすぎませんが、それを信じていきたいと思います。

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2006/06/10
お仕事がんばります 「障害児と生きる日常(24269)」 [ 最近のことの日記 ]
 九州に住む先輩を通じて、明石徹之さんと母・洋子さんの講演会の様子やテレビ局・スタジオ訪問の様子のビデオを見ることができた。

 明石徹之さんは33歳自閉症、川崎市で公務員として10年以上働いているという『自閉症界の希望の光?!』のような存在である。

 年齢から考えても、当時の方がより自閉症への世間の認知度も低く、周囲の白い目もより白くとんがっていた?にちがいない。

 そんな中で、トラブルがある度に、それを『周囲の障がい理解へのチャンス』に変えていった母・洋子さんのお話はやはり「すごいなあ」のひとことにつきる。

 もちろん、徹之さん自身のがんばりと笑顔が状況をどんどん好転させたのだろうなあ…と思う。

 ビデオによると、ここの所、サインなどに必ず「鹿児島よみうりテレビ 明石徹之」と書くので、何があるか確かめたい…というお母さんのお手紙から、今回のこのスタジオ訪問・テレビ出演・親子講演会…の流れが実現したらしい。

 テレビ局の方に理解がなければ、一笑に付されていたかもしれないことが、自閉症のことがわかるディレクター?さんなどの判断で、一本の線につながっていったことが、とてもすてきに思う。

 さらに、一本の線はさらにつながって私のところまで来た! この第3巻に、徹之さんのなんと直筆サインをしてもらった!!!

 サインとして描かれたミッキーマウス最高っす! となりの水着はいったい…。

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2006/06/12
行かなくなると行きたくなる 「自分らしい生き方・お仕事(65534)」 [ 1年以上前をふりかえっての日記 ]
 朝のテレビニュースで見て「???」となっていたのだが、元の記事を見つけた。
 
 産経の記事によると、修学旅行の他学年からの手伝いが認められず、休暇を取って私費で参加…という先生がいたらしい。とりあえず怒られることではないと思うのだが、厳重注意となったそうだ。どんな先生なのか興味津々である。生活指導部でみんなをピシッとさせる人なのか、ワイワイやりたかったのか、謎は深まるばかりだ。

 なぜなら、普通は、教員の立場では「行きたくない」ものだからだ。 

 以前勤めていた中学校は大規模校だったためか、他学年からの応援1名が認められていた。「認められていた」というのは、該当学年(3年)からの立場であり、「行かされる」(2年の教員)方は、まさに「大人の遠慮…いやなすりつけあい」であった。

 これがスキー教室だったりすると、スキーに行きたい人とかが率先して行きたがるので解決するのだが、京都・奈良…ましてや夜の見回りでロクに寝られないような学校…では、みな行きたがらない。

 私はたいてい自分の学年の修学旅行担当だったし、その下見にもなる…という理由や、3年のヤンキー男子の顔を部活動などでよく知っているとかの理由で、その大役(大損な役)をやらされていた。

 その学校にいる間に2回も行った(学年の先生12名もいるのに!)。7年間在籍して、自分の学年の時に2回、他学年の応援で2回、計4回の大変な思い出である。

 しかし、修学旅行担当者は教員2名だけで下見にも行ける。これは楽しかった(一緒に行く人にもよるが…)。

 2回担当したから下見も2回。7年間で計6回も仕事で京都・奈良への旅をしていた。


 ところがこの9年、京都・奈良に行っていない!

 講師になったこの3年間はもちろんだが、その前の1年間は養護学校、その前の3年間は違う方面に行く学校(学年)、いつも行かされた学校も最後の2年間は行かず(1・2年の担任で、翌年転勤する予定だったから修学旅行担当ではなくスキー担当に。おかげで応援も逃れられた)ということで、前回行ったのは、1997年だ。

 行かなくなると行きたくなるものなのだが、我が家の家族旅行でS君付きで行くには、あまりおすすめな場所ではない。

 無理して行って、歴史的建造物を壊したり、お寺の障子とかふすまをやぶるのも恐ろしい…。

 銀閣の白砂の中でパニック…とか、東大寺で地面に寝転がって鹿の糞まみれ…とか、三十三間堂の仏像の列に侵入…とか、恐ろしい光景が目に浮かぶ…。

 たぶん、このままずーっと行かないのかなあ。

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2006/06/14
OB会 「障害児と生きる日常(24269)」 [ 最近のことの日記 ]
 先日、介助の仕事で行っているC中学校の特学のOB会があり、お手伝いに行った。

 卒業して、それぞれの高校や養護学校に行っている人、その後、企業就職やアルバイトや作業所…とそれぞれの進路でがんばっている人…といろいろな代の人たちがいて、とてもいい会だった。

 卒業した子にとって、「久しぶりにホッとできる時間」だった人もいたようだ。

 仕事の話などをインタビューすると、「仕事をしていてつらいことは…」と聞くといろいろ答えるのに、「仕事をしていて楽しいことは…」と聞くと「ないです」と言っている人がほとんど(笑)だった。

 ファミリーレストランで調理をしている人は、「仕事をしていてつらいことは、お昼時や夕方の混む時間の大変さ」と答え、「仕事をしていて楽しいことは、お客さんがほとんどいない時です」と答えていた(笑)。そんなこと願っていると、店長に怒られるぞ!

 ゲームをしたり、歌を歌ったりするとだんだんみんな本領発揮。ノリノリになって楽しんでいたようだ。

 障がいの重い子も軽い子もいたが、Sたちも、こんな風に大人になっても笑顔でいられるといいな…とあたたかい気持ちになった。

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2006/06/16
バスケ大会 「障害児と生きる日常(24269)」 [ 最近のことの日記 ]
 過日、近隣10数校の中学校の特学が集まって、バスケ大会が行われた。

 各校ともそれぞれの体力や気力?にあわせて、A・B・Cそれぞれのリーグに登録して別々のルールで試合が行われる。

 Aは、選手も審判も規定通りだが、Bからは多少の(両手でついているとか、止まってはまたつくなど相当のものも)ダブルドリブルもありとなり、Cは多少の(持って少し走ってから注意されてドリブルに入るなど相当のものも)トラベリングもありである。

 また、コーチが中に入って、ボールを渡してから併走したりもできるので、Cはかなりほんわかムードの中で進む。チームメイトの応援もある意味盛り上がっていた。

 みんなそれぞれに一生懸命でとてもいい大会だった。

 さて閉会式。

 表彰が粛々と進んでいく。たぶん200名近い生徒たちがいるのだが、みなさんすごいもので、奇声も時々上がるが全体的にはとてもマナーよく静かである。

 でもある学校のおしゃべり好きのアスペ君、がんばって我慢しているのだが、突然語る。

 突然のひとこと(大声)が、「おすぎとピーコ!」  だったので、生徒たちに笑いが思わず起こった。

 各校の先生たちの「シー」の声と恐い顔?に、生徒たちが笑いをこらえ、その後の2度目の3度目の「おすぎ…」攻撃には誰も笑わずに閉会式は進行していた。大したものである。今は、彼の声に反応して笑ってはいけない…と学習したので、みんな「スルー」ができていたのだ。

 しかし、会が終わる頃、突然響いた声は、大声ではなく、大きめにつぶやいた独り言であった。


 「この中に、ハゲの先生はどれくらいいるのかなあ?」

 生徒たちは笑わなかった。

 だが、前方にいる先生たちの後ろ姿はみな、笑いをかみ殺して背中が震えているようだった。当事者も…。

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2006/06/18
「お仕事がんばります」を読んで 「自分らしい生き方・お仕事(65524)」 [ 最近のことの日記 ]
先日の日記に書いた明石洋子さんの本を読んだ。

 第1巻と2巻はすでに読んでいてとても感動したし、この一部でも自分もがんばってみようという気になった。

 第3巻が、就労に向けての取り組みや、地域の定時制高校に進む時の話だとは聞いていたのだが、うちはやっと小学校に行きはじめた(2年生)ばかりだし、もっとその時期が来てから考えたいからまだいいや…などと思って先送りにしていた。

 細かいことは書けないが、ある方がとても親切に、とてもすばらしいきっかけを与えてくれたので、ここにこうして第3巻が手に入った。

 そして、「早く読むように」というプレッシャーまでついていたので(笑)こうして読み終わることもできた。


 結果からいうと、今、この時期に読んでみてよかった。

 まだ、自分がどういうふうにSと一緒に地域の中で生きていくのか、ちゃんとした青写真もなければ、考えまいとしていたようなのだが、「いろいろな道を模索していこう!」と思った。

 内容についてはどうこうここに書くよりも、ぜひお手にとってお読みいただきたいが、一応少し書くと、今以上に大変な壁がある中、先駆者として道を切り開いていった勇気とがんばりがすごいし、いつも徹之さんの意志を大切にしていることがすごいし、たくさんの人々とともに協力していったことがすごいと思う。

 自分の子のためだけに活動するのではなく、みんなのために動くことがいずれは自分の子のためにもなる…そんな思いが感じられた。

 明石洋子さんがご自分の仕事を別になさっていたこともびっくりした。いったいいつ寝ていたのだろうか…と思うと気が遠くなるような気がした。

 先日の日記で、巻頭の徹之さんのサインを紹介したが、読み終えてから気づいた。

 なんと巻末にはお母さんの洋子さんのサインが!

 勇気百倍とはこのことである。

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2006/06/19
図書室 「自分らしい生き方・お仕事(65524)」 [ 最近のことの日記 ]
 今年度から行き始めたB中学校…ここでは、週1回の社会科の選択授業(2・3年生)しか受け持っていない。

 なのであまり校内の様子も見えないし、知り合いも少ない。

 ちょうど今日は、1年生の階にいる時にはじまりのチャイムが鳴って、それでも当たり前のように廊下で遊んでいる人たちの多さにびっくり…なんだかまた荒れそうなのか、すでに荒れているのか…。
 
 その階に行ったのは、図書室の様子を見ておこうと思ったからだった。社会福祉をテーマに、ビデオ学習や調べ学習などをやっているので、自分のテーマを決めた後、あるいは決めるために、どれくらい校内の図書室の本で対応できるか見ておこうと思ったのだ。

 図書の分類はキチンとされていたが、何とも狭かったり、新刊が入ってなさそうな感じの図書室だった。

 社会福祉関係は、300番台の社会科学のうち、360番台の社会か370番台の教育のところにある。何校かの図書室を見たが、最近はセットものの「~の子どもたち」という障害を学ぶシリーズの本がちゃんと入っている所が多い。

 あとは手話の本か点字の本か盲導犬の本…という感じだ。

 ところが、ここには一冊もないのだ。障害関係はもちろん高齢者のこととかバリアフリーのこととか何かありそうなものなのに。

 もちろん、市の図書館とかにはちゃんとあるので、調べ学習としては困らないのだが、そういう所でちゃんと借りてこない生徒のための保険に…というアテは崩れた。

 というよりも、今まで図書担当になった人にそういう方向性が見られなかった…ということなのだろうか。

 考えてみれば、今まで行った所は、特学なり通級なり通常級以外のクラスがあったので、自然とそういう本も入れとこうという担当の意志が働いていたのかもしれない。

 それにしても…これはないよというくらいない。他のコーナーにもない。

 ということで、ここでは発言力もほとんどない私は、そっと週案簿にこのことを訴えておいた。

 教頭、本当に読んでるなら何か反応してくるかなあ?

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2006/06/21
啓発DVD 「自分らしい生き方・お仕事(65524)」 [ 最近のことの日記 ]
 日本自閉症協会が自閉症への理解を深めるために作ったDVD「自閉症の子どもたち -バリアフリーをめざして-」を、 見たいと思っていたのだが、病院?などを中心にサンプル版のみ出回っていると聞いたのであきらめていた。

 ところが、思わぬところで借りることができた。

 もともと地域の教師たちが立ち上げた公的なビデオライブラリーが市内にあって、そこに選択授業で使う福祉関係のビデオを探しに行ったら、そこの施設長(小学校退職校長)さんが、「これなんかどう? 感動したよ」と言って渡してくれた。

 「ああ、これはあの!」 …なんて、私のリアクションが大きかったので向こうも大喜び。

 「全然知らなかったよ。こういうこと知っておいてあげてたら、もっといろいろ助けてあげられたのにねえ。校長だったのに知らなかったこと恥ずかしいよ。こういうこと、ちゃんと広めていかないとねえ。」とかなりのショックだったらしい。

 そんなのんきなことを言っている所で、こうなったら…と、私が自閉症児の父であることを話した。

 すっかり驚いて、(ここでは社会科の教師としていろいろビデオの選定とかにも協力してあげていて以前から面識がある)「いやあ、知らなかったぁ」の連発。

 でもこの施設長さんみたいに素直に「知らなかったこと」を認めて、「知ろう」 「広めよう」としてくれる教育関係者が管理職だとうれしいのだが…。

 最近、私の身の回りでは、発達障害への配慮よりも、「教員はちゃんとネクタイを締めよう!」とか、そんなくだらないことに熱心な管理職が出てきている…。

 言っとくけど、ずっと前の中学校では、「いざというとき、首を絞められるから、ネクタイはやめた方がいいよ」と生活指導部の先輩教師に言われてたぞ!(笑)

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☆2006/06/22
啓発DVD その2 「障害児と生きる日常(25037)」 [ 最近のことの日記 ]
 昨日の記事の「日本自閉症協会作成のDVD」のことで追加。

 昨日は肝心の内容のことを書き忘れていた…。

 映像には、RKB毎日放送の神戸(かんべ)さん親子(かねやん)、あいち小児センターの杉山登志郎先生、筑波大学附属久里浜養護学校の斉藤宇開先生、都立梅ヶ丘病院の市川宏伸先生など、この世界(自閉症界?)の有名人たちが「エース投入」とばかりに出ていた。

 それだけに内容もさすが、とてもわかりやすかった。

 今年度、私の選択授業、自閉症関係の回の授業は「これで決まりだ」と思えた。

 今後、DVDを発売する予定だと聞いたので、みなさんもいつかご購入ください!

 すみません、私は違法に…すでにコピーを…いえ、出たらその時は買います!


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2006/06/24
あやうく 「自分らしい生き方・お仕事(65524)」 [ 1年以上前をふりかえっての日記 ]
 6年前の夏のことだ。

 その日は夏休みの部活動で、野球部にスライディング講座をした。

 ちゃんと教えとかないとケガにつながるので、一年に一回だけ私自身が練習用ユニフォームにスライディングパンツまではいて、一緒に泥だらけになるという日である。他の日は、練習にまざっても決してスライディングはしない。ジャージが破れるし。

 そうやってその日だけは、砂場で、固いグラウンドで、何度も足からのスライディングに、ヘッドスライディングに、グラブをつけてダイビングヘッド…と一年分がんばったのだ。

 練習後、汗や砂を流そうとシャワーを浴びようとした。

 シャワーと言ってもちゃんとした設備など普通の中学校にはない。プールの脇にある、水泳の授業の時にみんなが使う、あの冷水シャワーだ。

 その年、Y中に転勤してきたばかりなので、プールの構造はわかっていなかったが、だいたいどこも同じだから何とかなるだろう…と、更衣室で砂まみれのユニフォームを脱いで、グレーのブリーフ一丁になってプールに飛び出した。

 そして、さあシャワーを出そう…とすると、

 目の前にテニス部の女子が数人立っていた。

 なんと、目の前がテニスコートというつくりだったのだ。後から考えてみればそうなっているのだが、入り口の方向が違うので気づかなかった。

 夏休みだから、久しぶりということもあり、「あー先生だー」とか言って集まってくる。

 日頃はそんなこともないのに、こんな時、こんな場面に限って、急に人気があるぞ…。

 重要なことは、「パンツ一丁で女子生徒の前に立っている人間である」ことを悟られないことだ!

 いかに、『水着でプールに泳ぎに来たフリをする』かである。

 「何してるの?」と聞かれて、

 「いや、部活の後にちょっと泳ごうかな?と思ってプールに来たんだけど、やっぱりシャワーだけにしようかな」などと妙に説明調。

 すごくまじめな子達数人だったし、もし気づいても 「それ海パンじゃなくてパンツでしょ!」 とか突っ込むタイプの人がいなくて幸いであった。


 また、柄パンとかでなかったのも不幸中の幸い…でもグレーの前開きの海パンなんて世の中にあるかどうかも怪しいがそんなことは知らないだろう???

 自然体のまま、自然に(本人はそのつもりだが実際はどうだか)会話をして、「じゃあ、部活がんばって!」などと別れてから、何事もなかったようにシャワーを浴びた。

 何事もなく乗りきった私はすごい!と自分でも思った。

 まあ、もしかしたら、気がついたけど黙っておいてくれた子もいるのかもしれないが…。

 不幸中の幸いは、最後の一枚を念のために履いていたことであり、そのたった一枚のおかげでそこから数年、まだ教育関係の仕事に関わっていられるのであった。

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2006/06/29
一部暗記 「障害児と生きる日常(25037)」 [ 最近のことの日記 ]
 C校の特学では通常級の定期テストの日程に合わせて、試験前に何度も宿題で取り組んできた問題でテストをおこなっている。

 問題がわかっている…という状態だが、国語と数学はそれぞれのレベルに合わせて作ってあり、1日目にやったものが2日目には返され、3日目に満点をめざす…という取り組みをしている。

 担任の先生たちの必死の取り組みで、「勉強にメリハリがついて」きていると思う。

 さて、2日目の今日、社会科のテストがあった。前もって渡してあるプリントである。ちょうど6大陸と3大洋など、中学1年生の中間テストで出すのと同じような問題だったので、担任の作業量を減らそうと、私もあがってくる答案を一緒に採点した。

 太平洋と大西洋の「点」のあるなし、オーストラリア大陸とオセアニア州の使い分けなど、まちがえやすいところはやっぱりひっかかっている生徒がいる。これはやはりもともとややこしい。

 ちょっと、この問題だと彼にはきびしいかな…というK君は、試験が始まる少し前まで私と一緒に勉強していたのだが、残念ながらほぼ白紙だ…。

 しかし、記憶をたどって書いてくれたのか、3カ所くらいに同じ答が書いてある。

 『太 ラシ カ』…

 たぶん、それぞれ一部だけ暗記に成功した『太平洋』と『ユーラシア大陸』と『北アメリカ大陸』がまざっているのではないか!(都合のいい予想)

 一応、よくやってくれたぞ!(でもそれならどれかひとつだけちゃんと覚えた方が点に結びついていいのだけど)

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2006/06/30
当てたらすごい 「今日の出来事(65535)」 [ 最近のことの日記 ]
 本日は、講師で行っているA校でのテスト監督。

 自分の教科のテストが無事終わった後、保健体育のペーパーテストの試験監督をしていた。

 テスト時間も中盤を迎えた頃、ある男子生徒が手をあげた。1年生はよく消しゴムとかを落としたり、答案用紙まで風で飛ばしたりするので、なかなか手がかかるのだが、その用事でもないらしい。

 内容について質問をしたかったようなのだが、普通はまわってきた教科担当の先生に聞くはずなのに、どうしても気になるらしい。問題のまちがいとかそういう可能性のある時は、テスト監督の他教科の先生に聞いてもよいとはなっているのだが、近寄っていった私への、彼の第一声は…

 「テンドンって、あの食べるテンドンですか?」

 まったく意味不明である。技術家庭の調理の問題ならともかく、今は保健体育だし、男子はバレーボールの問題だったぞ。

 彼が指で示す所の問題を読んでみた。

 すると、「この場合はどちらの得点になりますか」という問題があり、

 「Aチームがアタックしたボールを、Bチームの人がレシーブしたが天井に当たった。それをまたBチームの人が打って、Aチームに返すとAチームの人がさわってから線の外に出た」といった風な場面であった。

 もうお気づきかと思うが、彼が「テンドン」と読んでいるものは、明らかに「テンジョウ」のこと(笑)である。

 天丼と天井…点がひとつあるかどうかだけでずいぶん問題のイメージが違った。

 ちなみに、漢字の読み方は教えてあげられないので、「さっきのテンドンは食べる天丼ではないけどそれ以上のことは教えられない(笑)」と言ったまま立ち去った。

 「試合中にボールが当たる天丼」ということで、バレー部の公式戦とかでステージ上の役員の先生方の昼ご飯が天丼で、それに当たってはね返ってきたボールをスパイク…と勝手に想像してしまい、一人で笑いをかみ殺していた。

 教科担当の先生が来た時には質問しなかったので、彼は気づいたのかと思いきや、テストが終わった後に話すと、「へー、テンジョウって読むのかぁー」と驚いたようであった。

 職員室にもどって、ひとしきり話題にした所、教科担当の先生から、

 「大丈夫、テンジョウでもテンドンでも、一度当たったらもうアウトですから、答は同じです!」

 とコメントをいただいたのだった。

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2006/07/05
時事問題 その3 「自分らしい生き方・お仕事(65535)」 [ 最近のことの日記 ]
 まさに今日の時事問題…北朝鮮からのミサイルのことを知らない生徒は本日いなかった。

 でも3発っていう人と4発っていう人と5発…6発…と情報が割れている。

 時刻をおうごとに発射されたので、家を出た時刻によって情報が違ったようだ。6発目を知っている人は、『遅刻者』だった。(笑)

 もちろん、隣国に宣言なくミサイルを飛ばすことはとんでもない。

 ただ、今朝の各メディアの報道の仕方には違和感があった。

 恐怖をあおるというか、すごく近くにねらわれて落とされたかのような不安を感じさせる報道だったように思う。

 現に生徒の中には、「すぐ戦争になるんですか?」という聞き方をする子もいた。

 少なくとも、朝発射されたミサイルは、稚内とかから『500km以上』の地点の日本海だ。

 『日本海』の方を強調して、しっかり場所を示さなければ、何となくすぐそばに落ちたような錯覚が起こるが、まさにそう伝えられたニュースだった。

 日本の領海は12海里(20kmくらい)までだから、その上空が領空だとすれば、今回はまったく領空侵犯もしていない。

 ましてや「370km(200海里)までの排他的経済水域」ですら、入ってないのだ。たぶん、北朝鮮の方がよっぽど近い場所なのだと思う。

 「騒ぎすぎ」とは言わないが、いたずらに情報を大げさにするのはやめて欲しいし、こちら側にそうしたことを分析する冷静さが必要だと痛感させられた。

 湾岸戦争の時の油まみれの水鳥が、実は多国籍軍の攻撃によるものだった(イラクによる被害のシンボルみたいに報道されていたのに)という話は結構有名になったが、どのチャンネルでもそう言われると、比べようがないというか、鵜呑みにしてしまうから恐い。

 インターネット情報はどちらかというとさらに嘘くさいし、私たち庶民はやはり情報操作されやすい立場なのだろう。

 韓国が日本の排他的経済水域に入って作業を始めた…という今日のニュースの方が、本当はすでにやばい状況のような気もするのだが…。

 水産資源や海洋資源だけが必要で、島そのものをお互いに欲しているのでなければ、『分け合う』話し合いをすればいいのに…というのは、生徒たち…若い世代の普通の声である。

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